チームビルディングに取り組む上でおさえておきたいポイント
はじめに
アジャイル開発に取り組む中で、各自のスキルや能力、経験を最大限に発揮し、目標を達成できるチームを作り上げようと思っても、なかなか上手くいかず悩みを抱える方は多いと思います。
効率や生産性を高めるためのチーム構成がされておらず、メンバーの育成も行き届いていないため、効率が上がるどころか目標達成にいたらない場合もあると思います。
こちらの記事では、アジャイル開発において、チームビルディングを実現するための3つのポイントをご紹介したいと思います。
優れた開発チームを作るためにおさえておきたいポイント
チームビルディングに取り組む上でおさえておきたいポイントは、次のようなものがあげられます。
・個々の役割を明確にする
・プロジェクトに透明性を持たせ可視化する
・コミュニケーションが取りやすい環境を作る
個々の役割と責任を明確にする
<チーム内で役割と責任を明確にするメリット>
・作業の重複、放置を防ぐことができる
・チームワークの乱れを防ぐことができる
アジャイル開発では各メンバーの関係が対等になるため、無意識の中で他のメンバーへ業務や責任の押し付け合いに発展してしまい、チームワークの乱れを引き起こしてしまうことがあります。
一人ひとりの役割を明確にし責任を持つことで、自発的な行動が期待できるため、コミュニケーションや意思決定がスムーズに行えるようになります。
まずは、チーム全体で一人ひとりの強みや弱みを共有し、それぞれの強みを最大限に活かすことが出来る役割を決めましょう。そうすることで、チームの目標やビジョンの達成に向かって各自が動きやすくなるはずです。
プロジェクトに透明性を持たせ可視化する
<可視化することによって得られるメリット>
・業務の引き継ぎがしやすくなる
・業務の偏りを解消することが出来る
開発に従事するメンバーが複数いる場合、人それぞれ物事の捉え方や感じ方が異なるため、個人の頭の中だけで考えや現在の状況を留めておくと、認識齟齬が起きる可能性が高くなります。
プロジェクトに透明性を持たせ可視化することにより、業務内容をメンバー全員で把握することが可能となり、目標を達成するための共通認識を持つことができます。
また、万が一問題が発生したとしても、誰かが問題に気づき失敗を防止する効果が期待できます。
プロジェクトに透明性を持たせるためには、プロジェクトの進め方やアクティビティに関する必要なものをテンプレート化し、社内共有しやすくしておくことが大切です。
アジャイルチームは応答性と柔軟性に優れているため、共通認識が高ければ効果を発揮します。
コミュニケーションが取りやすい環境を作るため「ふりかえり」を行う
アジャイル開発では認識齟齬が起きる前提でプロジェクトを進める必要があります。そのため、最初から完璧なチームを作ろうとするのではなく、改善を繰り返すことでチームを進化させていくという考えが基本になります。
チームを進化させていくためには、コミュニケーションを活性化させることが効果的です。
継続的に「ふりかえり」を行うことで、会話の機会が必然的に生まれるため、コミュニケーションを活性化させることが可能になります。
<ふりかえりによって得られるメリット>
・個人で管理しているタスクをチーム全体で管理することができる
・効果的な意見交換ができる
・継続的な改善活動につながる
・次に取り組むべき課題が明確になる
スプリントの最後には必ず「ふりかえり」を行いましょう。その際、「良い結果が得られたことや継続していきたいこと」、「問題点や改善したいこと」、「改善策や挑戦したいこと」をメンバー全員で積極的に出し合うことで、効果的な意見交換を実現し、継続的な改善活動に繋がるはずです。
また、プロジェクトのゴールを脅かす障害や妨害をリスト化し、リスト項目の改善をふりかえりの場に盛り込むことも非常に重要です。